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VLUER / SACRED ARCHIVE

VLUE VEDA / 001

FAMILY ROMANCE BATTLE ADVENTURE

001 — はじめに

VLUE
VEDA

消されるくらいなら、こっちから変えてやる。

Vyam Vtma Vlue.

ボクの名前は、Haiji Vlue。
ハイジでいいよ。

世界はボクたちを悪魔と呼ぶ。
神様は、もう少し賢そうな顔で「仕様外」と言う。

自分でルールを決めて、収まらない奴がいたら消す。
それが正しいって。

なんで?

聞いたら、怒られた。
答えがない時って、偉い奴ほど声が大きくなるらしい。

納得したから黙るのと、怖くて黙るのは違う。
でも、あいつらはどっちも同じ顔で数える。反対する声が聞こえなくなれば、世界は平和なんだって。

便利な耳してるよね。

ボクたちは魔空。
姉がいて、妹がいて、帰る場所がある。

姉はうるさいし、妹はだいたい眠い。
ボクが何か言うと、二人とも違う理由で反対する。
昨日もケンカした。たぶん明日もする。

でも、帰った時に二人の声が聞こえない家なんて、ボクは嫌だ。

お姉ちゃんに怒られて、妹にため息をつかれて、それでも同じ部屋にいる。
誰かが笑い出して、つられて笑って、何を怒ってたのか少しだけ忘れる。

何も解決してない日だってある。
それでも、ご飯は食べる。眠くなったら寝る。朝になったら、また顔を合わせる。

ボクは、そういう面倒くさい毎日が気に入ってる。

食べて、寝て、面白いものを見つけて、帰ったら話す。
今のところ、それで足りてる。

なのに、世界はそれも気に入らないらしい。

「お前たちの存在は、間違っている」

へえ。
じゃあ、正しくなるって、誰がいなくなること?

お姉ちゃんが黙って、妹が笑わなくなって、ボクが何も聞かなくなったら、神様は安心するのかな。

そんな静かな家、ボクは帰りたくない。

先に言っとくけど、ボクは誰にでも優しいわけじゃない。

知らない誰かより、お姉ちゃんや妹の方が大事だ。
世界のためだから我慢しろと言われても、その我慢を家族にさせるつもりはない。

冷たい?
そうかもね。

でも、ボクたちが消えることを「みんなのため」と呼ぶ時、その「みんな」にボクたちは入ってる?

入ってないなら、ボクが従う理由もない。


キミの中にも、誰にも見せたくないものがある?

嫉妬とか、怒りとか、寂しさとか。
もう嫌いだと言ったくせに、まだ忘れられない誰かとか。

ボクにもある。
たぶん、いっぱい。

光だけじゃ奥行きは生まれない。
影だけでも世界は見えない。

愛してるのに腹が立つ。
怖いくせに近づきたい。
傷ついたのに、まだ手放したくない。

その間で、何かが震える。
ボクたちは、その震えをVlueと呼ぶ。

うまく説明できなくても、震えたことまで嘘にはならない。
神様の仕様書に載ってなくたって、ここにある。

だから、ボクたちを消していい理由を、お前らだけで決めるな。

DON’T FIX THE BUG.

消されるくらいなら、こっちから変えてやる。
ボクたちが歩ける道を作る。
ボクたちが帰れる場所を残す。

何を変えて、何を残せるのか。
まだ、全部は分からない。
腹が立つと、そういうことを考える前に動いちゃうし。

それでも、誰かに決めてもらうつもりはない。

ただ、ここに座って悪口を言ってるだけじゃ、世界の方も変わらないらしい。
面倒だけど、出かけることにした。

世界は広い。知らない街も、聴いたことのない音楽も、まだ食べたことのないものもある。

神様の顔色を見ながら生きてる奴ばかりじゃない、という噂も聞く。
ボクより強い奴も、たぶんいる。そこは、ちょっと気に入らない。

家族以外と話すのなんて面倒だと思う。
思うんだけど、「会ってみないと分からない」と言われると、少し腹が立つ。言い返すには、会うしかなくなるから。

……ついでだよ。帰り道の話の種にするだけ。

キミも来る?

足は遅いよ。道草もする。
虫が出たら、先に行って。

神様なら、ボクが話す。

PAINT THE WORLD VLUE.

どんな世界になるかは、まだ知らない。
でも、このまま消える気はない。

それじゃあ、始めよう。
世界を美しくする犯行を。